ひさしぶりの釣り堀ツアラー旅日誌の更新であります。さあて、今回はどこへ逝ったのでありましょうか。

と、気合いの入った出だしでございますが、大したことないんです。ほんの半日だけのお出かけであります。釣りをした時間は正味二時間。ポイントは二カ所だけ。ボクシングで言えばジャブ、サッカーですと日韓戦以外の親善試合、野球で言えばオープン戦です。要するに様子見ってことですな。もっと言いますと、釣れない言い訳ですな。ちなみに、いつもHPで更新しているのは、「つれない言い訳」です。この差異は漢字を使っているか否かなんです。つれないは、釣れないという意味ばかりではなくて、つれない態度という意味も含んでいるのであります。
本題から逸れて行くような、元へ戻します。

ということで、時間はあまりなかった釣り堀ツアラーであります。時間がない理由は、特にありません。ただ、お昼過ぎには戻りたいと思ったからであります。
今日は新しい愛機、HONDAのXR250モタードでお出かけします。今まで愛用していたHONDAアフリカツインを、泣く泣く下取りしてもらい、(おもひでが詰まっておりました)新調した(中古ですが)バイクであります。


ちょっと余談になります。
釣り、特に川の釣りでアフリカツインを足に使うというのは、無謀であります。河原にアフリカツインを乗り込ませると、その重量でスタンドが埋まってしまいます。少し大きめの石に前輪がつかえると、アクセルを微量開けただけで後輪が地面を掻いて、エンジン下部まで河原に埋まってしまい、スタンドなしでもバイクが倒れないという、珍百景を目のあたりにすることになります。なにより致命的なのは、細い道、堤防上の細い道などに迷い込み、行き止まりで反転しなくてはならなくなったときであります。アフリカツインは重すぎて、ちょっとした凹部や、少しの傾斜を、引き回すことは一人では無理だからです。
ツアラーは恐ろしい目に何度か遭いました。魚野川で一回、三面川で三回であります。その度に、「帰れないかもしれない。明日、釣り堀は臨時休業にしよう」そう覚悟するのでありますが、なんとか、大汗を掻きながら、危機を脱出し、臨時休業を免れたのであります。でありますから、釣りの足は、軽いオフ車が一番です。XRならケツを持ち上げることもできますからね。
そういうことで、今回から釣り堀ツアラーは、HONDA、XR250モタードで登場することになります。
ツアラーの初代愛機、YAMAHAセローも、時たま登場するかもしれません。

おっと、余談が過ぎたようです。
明日は久しぶりに雨の心配のない日曜日であります。しかも釣り堀は高水温による休業中。池の掃除は満足ではないにしろ、否、まったく意味のなかった、くたびれ儲けでありましたが、前日までに済ませました。
日曜日は何の予定もありません。逝くでしょ、釣りに。
さあてと、どこへ逝こうか。つらつらと考えます。なにせ先月の豪雨で、オヤジが足繁く通ったあの川も、その川も、この川ですら絶望的になっております。となれば、長野あたりまで、はたまた山形まで、いや待て、その手前に三面がある。いずれにしても、遠くまで遠征しなければならないようなのであります。
遠くまでか……。
この頃気力にかけるオヤジは考えるわけです。
めんどくせえ。
かといって止める気にもなれず、近所の釣り場で豪雨被害はあったろうが、濁りのとれた釣りをする気になれる釣り場、微妙な表現でありますな。ということで思い出したのは、あそこであります。
あそこなら、感じるだろう。きっと気持ちのいい思いができかもしれない。今度は微妙に嫌らしさの残る言い様であります。

と、前置きはこのくらいにして、オヤジはXRに火を入れ、出発しました。めざすはア・ソ・コ、です。
時は六時前くらいか、計画ではこの時間、すでに数尾の魚を手にしている時間です。
すわ一大事。遅れてしもうては、遅れてしもうては……、どうということはありませんな。釣れないだけです。
とは申せ、釣り師にとって一尾釣るか、まったく釣れないか、この差は雲泥、月とすっぽんー、あと、何があったっけ、えーと、鷺と烏、釣り堀と吊り鐘(?)、明太子と皇太子(もっと?)、えーと、えーと、どうでもいいけど、そういう比喩の如く、大きな違いがあるんです。
ここで重要なことを思い出しました。
そういえば、今シーズン釣れた魚は……、「釣ってねえな」と独りごちるツアラー。今日は一尾を釣らねばなりません。そうであるなら、誰かが釣りをする前の、朝一の川へ入らねばなりません。
にわかに焦ったツアラー、取り急ぎ出発せねばとアクセルを捻ります。そうすると愛機XRは、悍馬に鞭を入れたように、蹴飛ばすようには、出ないのです。ニーハンのバイクです。それなりの加速で、耕耘機のようなエンジン音を響かせながら家を飛び出たのであります。
さて目指すは、バイクで約一時間先の川であります。今日という今日は勘弁ならねえ。コテンパンにするつもりで、ギアを上げるのでありました。と、思い出しました。ガソリンがないということを。逝く前に給油が先であります。それで、ハイオクを満タンにしようとスタンドへ寄りました。
「ン!」ここは近所のセルフのスタンド、その同じ敷地内にあるではありませんか。あれは確か……、「松屋」ですな。牛めしの松屋があるんです。
腹も減っておりますな。コンビニでパンを買って、それを駐車場の片隅で囓る。これは五十を過ぎたオヤジがしてはいけないことであります。
「急ぐには急ぐのだが……、まっいいか」ツアラーは独りごちて、牛めしセットを注文するのであります。
しかし、これが致命傷だったのであります。

腹ごしらえをしたツアラーは、とある国道を南へ走るのであります。緩いカーブの続く道を、右へ左へとバイクをバンクさせて走り、出会った軽トラ等々に、後輪で砂をかけて先を急ぐツアラー、思うより早く目指す川へ着きました。
山里に開けた中規模な川です。川幅は魚野川でいえば、塩沢より上流と同じくらいで、大石が散在する川であります。

ツアラーは四番のロッドにラインを通しました。
「さてと釣りますか」
ラインの先端にブレイテッドのシンキングリーダーをつけ、フライは八番のフックに巻いたマドラーのウエットであります。
目星をつけたあたりへ、上流からフライを流し込みます。
ラインはうねりながら流れてます。怪しげな付近へ近寄るその前に、ラインの形を整え、ラインがフライを追い越さないようにします。そしてストップ。しばらく待って、ラインの後端を、左、右と置き換え、流すレーンを換えて誘いを入れます。息を詰める瞬間であります。
「キター島三郎。キター杜夫。キター太郎」なんでもいいですが、ちょっとしつこいですな。要するに、ツアラーがいいたいのは、魚信のことでありましょうが、そのようなものはありません。
ふと顔を上げて見回せば、オヤジは餌師二人、鮎師三人に囲まれた、その真ん中におりました。
おそらくここはその長い竿を持った連中に荒らされた後でありましょう。それで北島三郎はおらなかった。えーい、上じゃ、上流へ場所替えするのじゃ。
ツアラーはバイクに乗って、入川点を求めて農道の砂利道を走るのであります。こういう時はニーハンのバイクは便利ですな。車が躊躇するような細道でも、躊躇なく入れてしまうのです。
上に下にウロチョロすること三十分。ようやく探した入川点には、小さな川が合流するよさげな淵が見えました。さっきの場所は国道を渡る橋から見えるポイントでした。ここは農道です。軽トラックが一台通れる程度の道であります。ここを探せる県外車はないはずです。そのよさげな淵の見える農道へ、バイクを止めました。
ツアラーは小さくほくそ笑み、今度こそと支度を整え、川へ急ぐのであります。



淵では身を低く構え、流れ込みから探ってみます。フライその他は、先程と同じです。
流してみると足元に邪魔な反転流があり、ラインが喰われて思うところへフライを流せません。ならばと身を低くしながら、流れ込みの真ん中の方へ立ち位置を移動します。が、流れが強く、身を低くしては立っていられません。思わず直立したツアラーの目の前は、いかにも魚が付いていそうな岩が沈んでおりました。その距離竿二本です。この位置ですと、魚からツアラーはまる見えでしょう。こういう中規模な川は、魚から人間が丸見えになるので、注意しなければなりません。ダウンクロスでなく、下流から釣り上がるべきだった。
ツアラーはこの絶好なポイントを、不注意で潰してしまいました。そう思いつつ、それでもと、ラインを流してみました。ここも、北杜夫はおりませんでした。
諦められないツアラー、この淵の流れ出し、流れ込みの魚はビビらせたろうけど、流れ出しに魚が付いているとすれば、ビビッていないはずなので、流れ出しを物陰からじっと観察しました。
観察していると、キラリ、銀鱗が光った気がしました。大きくはないが、流れ出しには魚がいるようであります。
ツアラーは物陰を利用しながら、その流れ出しへ近寄りました。フライは同じです。リーダは普通のテーパーリーダーにしました。テイペットを五Xまで落とし、そっと上から流し込みます。
と、ぷるぷるという魚信です。ツアラーは物陰から飛び出し、丁重にやり取りするのであります。
その魚がこれです。



どうです、小さいでしょう。
小さいと言うなかれ諸君。一尾釣るのと、釣れないのでは、月とすっぽん。明太子と皇太子のほどの差があるのでありますぞ。
でもしかし、これが今年最初の魚とは……。トホホーという以外にありませんぜ。

このポイントにも釣り師が一人覗きに来ました。ベストに新潟県の共通遊漁証がぶら下がっていたので、地元民でしょう。この辺も釣り人は行き来するのです。小さい川では人が歩けばその後半日は魚がビビりますから、簡単に釣れる魚はいなくなります。
致命的なのは、松屋の牛めしだった。川へ降りる時間がまるで遅かったのでしょう。新たに反省する材料を見いだし、それを次回までには忘れてしまうツアラーでありました。
今日はこのくらいで勘弁しておいてやる。いつもの捨てセリフを川へ吐き、吸っていたタバコは携帯灰皿に捨てて、川を後にしたツアラーでありました。

えーっと、オヤジのお気楽な遊びの話しはこのくらいにして、これからのパスタイムのことにございます。
今週は営業できるかと思っていたのですが、思いの他水温が上がりました。夕方オヤジが池に手を入れて見ますれば、生暖かいのでございます。これでは新しい魚を放流したところで、満足な釣りを期待することは出来ません。それに台風も近づいている、もっといやなことに、池の漏水が多くなっているような。
ということで、今週も営業できそうもありません。来週もどうか? ちょっと微妙です。なにせ池の漏水を直さないと営業出来そうもないからです。今週末直すにしても、台風がどうなるか、心配です。
どうか、全てが上手くいきますように。