禁漁間近になって川へ通い始めた釣り堀屋でした。
禁漁になり、新潟県内では鮭科の魚を釣ってよい川は、荒川での鮭釣り以外はなくなりました。

荒川での鮭釣りは以前、抽選に応募して逝った覚えがあります。
荒川の鮭はサイズが大きく、よいファイトをしてくれました。
釣れた鮭は美味しく食べないとなりません。川に遡上した鮭は、身に脂っ気が少なく、生では美味しく食べられません。
そこで、釣り堀屋は釣った鮭を塩引きしようと鋭意努力したのであります。

鮭を塩蔵するためのプラスティックの箱や、塩蔵した鮭を干すための網などを手作りして、一生懸命塩引き作りをいたしました。
ですが、ぶら下げた鮭の半数はカラスや狸にやられ、残った半数にはカビが生えると言った体たらくでございました。
結果、全ての鮭を廃棄せざるを得ないという最悪の事態に陥ったのであります。
以来、「鮭釣りはしねえ」そう、心に誓ったのであります。

どうでもよい思い出話をいたしました。申し分けございません。
禁漁後の無聊を慰めるための釣りは、以前は鮭釣りくらいしかなかったのですが、現在は長野の犀川、会津大川、足を伸ばして栃木の箒川など、釣り堀から三時間の範囲内に、通年釣りができる河川が、数本ございます。
いづれも魚は確実に放流されておりますので、放流しているかどうかわからない県内の河川よりは、確実に釣果をみられます。
良いポイントには必ず魚は入っているはずなので、良いポイントに入れた場合は、一尾の魚を獲られるまで、粘る釣りができます。
これが、いるかどうか分からないと、一つのポイントで粘るなど、忍耐強い真似はとてもできません。
一つのポイントで粘れるとしたら、魚を発見した場合のみでございます。

正直申しますと、釣り堀屋は先週の三連休に、半日と少し時間を戴いて、長野の犀川へ逝ってまいりました。
釣り券を買うところで知ったのですが、当該河川は、釣り可能エリア最上流に、ニジマスを大量放流したとのことでした。
放流したと公表された最上流部には、何人もの釣り師が群がっておりましたので、釣り堀屋はゆかしく、下流部へ入りましたのであります。

良いと見える下流部のポイントには、人っ気はありませんでした。大量に放流したと噂される魚は、全域に拡がったとは思えません。放流点に一塊になっているだろうと予測されます。
だから、下流のいかにもよさげなポイントには、小僧一人いないのだと、釣り堀屋は推察いたしました。
しかも、この川は人気河川で、シーズン中におきましては、絶えず人が釣りをしているのだろうから、魚は相当すれているはずです。
かなり難しいとは予測されますが、放流はしておるはずだから、魚はいるはずです。

一流し目、シンクティップでやりました。
黒のリーチらしきフライをリードに結び、ドロッパーは、サイズを落としたウエットフライです。
数十投するもアタリの欠片もありません。
いつもの川なら、魚はいないと諦めて、他へ移るところです。魚は必ずいるはずだと確信する釣り堀屋は、ラインをタイプ2のシンキングラインに交換しました。
投げる方向は、立ち位置よりも若干上流です。フライが速く動かないよう、ラインはあまり張りません。
ゆったりとしたプールの流れに、ラインが馴染んで沈んで行きます。イメージでは立ち位置より若干下流で、ラインが底を取るはずです。
しかし、底を取れるだろうと考えた周辺に至っても、フライが底に触れる感触はありません。もう少し手前にベリーを入れて、沈ませねばと思いつつ、そのまま、真下へスイングさせました。
真下へスイングさせる途中で、ガツンと教科書通りのアタリがありました。ぐっと竿を立てます。ぐんぐんと魚が頭を振る気配がロッドに伝わります。
「おお、なかなかのサイズか」
釣り堀屋の期待は膨らみました。遠くで魚がジャンプ。「ありゃ?」跳ねた魚のサイズは釣り堀屋が期待した魚よりぐっと小さかった。
放流後、一シーズン経過した魚でしょう。自然に鍛えられて、なかなかのパワーに回復しておりました。



こんなに小さいとは言えども、魚は魚です。一匹と百匹では百倍の差でしかないが、ゼロ匹と一匹では、釣果に無限大の開きがあります。
この時、時間は昼近くになっておりました。半日と少ししか猶予を与えられていない釣り堀屋は、一尾を釣って満足して、釣り堀へ引き上げたのであります。
帰りは下道で、XRでも三時間も掛かってしまいました。尻の肉が潰れるかと思うくらい、ケツが痛くなりました。

釣り堀ツアラーを名乗りたかったのですが、ほんの出来心で犀川まで釣りに逝ったので、出来心の釣行の場合は、釣り堀ツアラーは名乗りません。

今週も放流しようかと考えております。
実は先週、下の池に放流した魚の量は、資金難で思う量を放流できませんでした。
ですから、今週も追加で放流いたします。