暑いッス。おまけに、台風が来るッス。それも、週末に来るッス。
日頃、閑散としている場末の釣り堀でございます。台風が来るとなれば、なおさら、閑散となるだろうと思います。
場末の釣り堀は、閑げなので、さぞや釣れないだろうと思うお客様、さにあらず。この暑さにも拘わらず、おらちのマスは、非常に元気です。
魚が元気なので、空いていれば、そこそこに釣れております。しかし、10人を越えるお客様がいらっしゃいますと、やはり、難しくなります。ところが、今月は、10人を超える場面などはありません。
安心して、遊びにいらして下さい。

さて、この暑い最中、釣堀家は逝ってまいりましたぞ、山へ。
山へ、なにしに行くんじゃ? 粗大ゴミの不法投棄か? それとも、世を儚んだ自殺か? まさか、流行遅れの自分探しではあるまいの?
なにを馬鹿な。
釣堀家が山へ行くとなれば、渓流釣りしかありませんぜ。魚沼の、とある川へ逝ってまいったのであります。

逝きました川の流域は、谷が深うございます。下手な場所に入りますと、すぐに、通らずにぶち当たるのでございます。
なので、本流での釣りは、釣りができる区間が限られます。また、遡行しやすい箇所は、やはり、釣り師が魚を抜いております。で、ありますから、大きな釣果は期待できません。
しかし、この川には、いくつかの支流がございます。支流も、幾本かに分かれておりますので、そのいくつかに先行者があっても、入る場所に事欠きません。
支流は、ほぼ、イワナの沢であります。釣れる魚は、お世辞にも大きいとは言えませんが、数は期待できます。

先週の日曜日、釣堀家は、くそ暑い気温を承知で、この流域を訪ねました。着きました時刻は、午前7時を過ぎております。従って、川に降りやすい箇所には、先行者の車が数台止まっております。
先行者はありましたが、入渓点を探して彷徨くほど多くはありません。釣堀家の好む入渓点のいくつかには、先行者の姿はありませんでした。
今日は先行者が少ない、ラッキーなどと思いつつ、幾度か釣りをした覚えのある支流に車を止めました。
車を止めた途端であります。車の窓に、なにかが当たる音がいたします。嫌な予感を覚えて、窓の外をみれば、虻が、黒い雲のようになって、車の周囲を遊弋しておるではありませんか。
これで、先行者の少ない理由が分かりました。
いつもなら、7月末にならないと、本格的な虻の時季にはなりません。しかし今年は、雨が少なく、気温が高うございます。なので、いつもよりも数週間早く虻の発生が見られました。

帰ろうか? 
ふと、弱気になる釣堀家であります。しかし、今月はこれまで、週末ごとに、ナイスショットーなどと、言っておりましたのであります。来週も、同じ掛け声を発せねばならんのです。虻ごときに怯えて、引き下がってはおられません。
入渓する決意を固めた釣堀家は、車を出ました。手にはフマキラーであります。釣堀家の車には、フマキラーを常備してあるのであります。
プッシュウゥゥゥ。
フマキラーは、害虫には絶大の効果があります。釣堀家の周囲を、雲のように遊弋していた虻は、あっという間に、いなくなりました。

さて、入渓。
落差の乏しい区間に入りました。手にしたロッドは、#3の、中間セクションを足すと、10ftになる改造ロッドであります。
まずは、ドライフライであります。いつもなら虻の時季は、どのようなフライでも、浮いていれば反応します。
とりゃぁぁぁ。第一投であります。
膝くらいの水深の、緩い瀬を、浮力抜群のフライが、ぷかぷかと流れます。
おや? フライの直下を魚が走ったような気がしました。走った魚は、フライを見に来たのではありません。まるで、逃げるように走り去りました。
???であります。
釣堀家の姿が見られている。否、経験上、この距離なら、察知されるはずはない。ならば、ティペットの影に怯えているのか。しかし、虻の時季です。それほど、人が入っているわけがないので、怯えているとも思えない。
釣堀家は、首を捻りながら、上流へと遡行します。

いかにもいそうなプールの、いくつかを過ぎましたが、魚の反応はありません。フライが合っていなくとも、フライを見に来るくらいは、あっていいはずです。
魚がいないのではないか? 
疑問を抱いた釣堀家は、一つのプールを犠牲にする決意をしました。魚を見つけるべく、釣りをせずに、プールに突進したのであります。すると、流れ出しの浅い瀬で、魚が走りました。
魚は、いるには、いたのであります。
こりゃあ、浮いてるフライには興味がないか、それとも、ちょっと前にドライフライで釣られている。
確信した釣堀家は、フライをドライからニンフに替えました。スレていると確信して、ティペットも細くしました。
先ほど魚を走らせたような、浅い瀬を中心に狙います。いましたね、以降、数尾の魚が釣れました。


 
大きさは、さほどではありませんでしたが、釣れなそうだと諦めかけていたので、嬉しい数尾でした。