梅雨時に降らなかった大雨が、お盆を過ぎた頃より、数日おきに降っております。
梅雨頃の大雨は、まだ、気温も水温も低いので、対処は楽であります。で、ありますが、今頃の大雨は、水温が上がりきっておりますので、注意が必要です。
注意しなければならぬ状況なのに、大概の雨は、夜間に降る。
夜間、やばい雨が降るので、どうしても初動が遅れます。遅れた結果、コーヒー色の水を引き込む次第になり、魚の活性に影響を及ぼしたりします。
この週末も大雨の注意喚起がなされております。影響がなければよいがと、心を曇らせている釣堀家でございます。

さて、8月の下旬は、大雨ばかりではありません。8月の下旬には、某テレビ局で、恒例のチャリティ番組が放送されます。
当該の番組では、毎年、一名の芸人を選出して、長距離を夜通し走らせるのであります。夜通し走る中継では、必ず挫けそうになる心を吐露します。しかし、何度も挫けそうになりながらも、芸人さんは、最後までやり遂げるのであります。
テレビでこの姿を見る我々は、芸人さんの、諦めずにやり続ける不屈の魂に感動し、涙をするのであります。

夜通し走らされる芸人さんは、大変だなあと、釣堀家は、漠然と感じておりました。
しかし、芸人さんも人であります。体調の悪い時もあるはずです。いかに、仕事とは言え、体調の悪い日に、100㎞の距離を走らされたら、途中で棄権するわな。と、場末の釣堀家ごときは、いらぬ心配をしております。
ところが、当該企画で、途中棄権した者は、走るコースが漏れて、見物人で身動きできなくなった、間寛平師匠一人だけなんだそうです。
ええ、そんな幸運て、あるものなの? 出場した全員が、体調がすこぶるよくて、100㎞を走りきれるものなの?
疑い深い弱小の釣堀家は、検索してみました。結果、やらせの疑いはあるものの、やらせの証拠はありませんでした。
この時代、途中で車ワープなどの荒技を使えば、どこで、画像を撮られるかわかりません。で、ありますから、よほどの事情がなければ、車ワープなんて、できないはずです。

ならば、芸人さんは、がちで100㎞を走っている結果になります。
ほんまかいな。
かなり疑り深い釣堀家は、モチベーションの観点から検索してみました。すると、走らされる芸人さんは、千万円単位のギャラがもらえるのだとか……。
ええー! チャリティ番組で、千万円単位のギャラが出るの? と、改めて驚く貧乏な釣堀家であります。
千万単位でギャラが貰えるのなら、どんなに苦しくたって、釣堀家でも、やり遂げますわ。と、卑しさ丸出しの釣堀家であります。

それにしても――チャリティ番組ですぜ。
芸人さんの頑張る姿に感動して、小さなお子様が、一生懸命に貯めた一円玉の貯金を、番組当てに寄付をするのです。
釣堀家? 寄付しませんよ。だって、貧乏ですもん。ていうか、この番組、偽善の匂いがプンプンします。
チャリティでしょ。我々の募金を募るのでしょ。だったら、まず、番組からだと思います。番組による収益は、全て、寄付する態度が当たり前だと思うのです。しかし、どこをどう調べても、そのような情報はありません。
このような胡散臭い番組は、見るべきではないと、不肖、釣堀家ごときは愚考するのであります。

似非チャリティ番組からは、腐臭がプンプンします。従って、釣堀家の心は、微塵も動きません。
しかし、先般、2歳のお子様を、お救いなさった、ボランティアのお爺ちゃんには、大いに心を動かされました。
この方、年代から思うに、大変なご苦労されたのだろうと、推察できます。また、頑な態度から察するに、なにかの負い目があるように見えます。
との、釣堀家の穿った観察はともあれ、お爺ちゃんの、今なさっている行為は、無私の行いそのものであります。

このお爺ちゃん。もっぱら奉仕を生業にしており、収入は、国民年金の6万円弱だけなのだそうです。
月に、ろ、6万円。ほんまかいなと、俗物の釣堀家ごときは、疑うのであります。
お爺ちゃんの顔に深く刻まれた皺を観察するに、嘘ではなさそうです。しかし、ほんとうならば、人助けなどしている場合ではありません。お爺ちゃんのほうが、助けが必要な状況ではありませんか。

お爺ちゃんは、月6万の収入でボランティアをするために、食事は、サトウのごはん。それも、ガス代を節約するために、暖めずにそのまま、ふりかけや梅干しをお菜に、食べるのだとか。
テレビは、殆ど見ず、酒もタバコもやらないのだそうです。
無私の人助けに日々を充実させているからこそ、月の収入などは、生きる食料だけ購えれば、それでよい。
山海の珍味を食いたいと贅沢をするよりも、行く先で人の役に立つ悦びが勝るのだろうと、場末の釣堀家ごときは推測するのであります。

この御仁を知ると、釣堀家ごときは、40年のサラリーマン生活を通して、なにを学んだのだろうと、愕然とするのであります。
釣堀家の関心事は、定年になって、収入が減る心配です。しかし、収入が減ったところで、お爺ちゃんよりも収入は多いのです。
おまけに、己の商売のくせに、雨のせいで、夜中、釣り堀へ行く羽目になったと、愚痴まで漏らすのです。
商売なのだから、必要ならば、深夜だろうが、大雨が降れば水の調整に行く姿は、当たり前です。
そもそも、当たり前の努力を怠るから、弱小の釣り堀は、いつまでたっても、弱小のままなのです。
場末の釣堀家は、なにも持たぬ一介の老人に、後ろ頭を殴られた心境になりました。