いよいよ元号が令和になりました。思い起こせば平成は、バブルの崩壊以降、大きな地震が続き、また、大きな水害も続きました。
令和になったからと言って、即座に災害や不景気がなくなるとは思えません。けれど、悪い厄は、平成中に済ませたと信じたいです。によって、令和は、災害はありませんし、不況もありません。
でありますから、場末の釣り堀に安心していらして下さい。不機嫌な釣堀家がお待ちしております。
ええと、令和最初のイベントとして、週末の3日より、アルビノマスを釣られたお客様、先着30名様に、銀河ビールをプレゼントします。
なお、一日、お一人様、2セットまでとします。また、銀河ビールが終了しましても、豪華粗品が若干数ございます。
諦めずにチャレンジして下さい。

さて、令和になりました。
平成が令和に変わる前に、平成最後の釣りをしなければならぬと、釣堀家は、釣堀おばさんのコンサートのお供のついでに、隣県のキャッチアンドリリースの釣り場へ逝ってまいりました。
逝きました川は、隣県の東を流れる本流であります。
越後の川は、只今、雪代の真っ盛りです。でありますから、釣りにはなりません。しかし、山を一つ越えた隣県の川は、穏やかで澄んでおりました。
釣堀家は、今年になりまして、週末ごとに所要があり(主に、風呂ゴルファーの仕事であります)釣りに行けておりません。よって、目前の澄んだ川を目にすれば、キャバクラへ乱入した懲役囚の如く、すぐさま、行為に及ばねばならぬと、ズボンを蹴り脱ぎました。ではありません。ウエーダーを履いたのであります。

さて川はと、見回します。そこかしこに、大きな石がゴロゴロあります。街中を流れる川なので、落差は少のうございます。
釣堀家の立つ橋の真下に、流れの緩い大きなプールがあります。プールの上流は、落差の感じられる速い流れです。
釣り人は、フライフィッシャーが数名おりました。彼らはプールに立ち込んで、腰に手を当て、ライズを探している様子でした。プールの上流の速い流れには誰もおりません。
魚がフライをジックリ見るプールの釣りは、難しゅうございます。対して、流れの速い瀬に定位する魚は、さっと流れ去るフライを観察する時間がないので、比較的簡単に釣れます。
比較的簡単に釣れる瀬に釣り人が少なく、難しいプールには、多くのフライフィッシャーがいる。
てことは、魚はプールにストックされているに違いありません。しかし、プールで釣りをするためには、先行者が去る状況を待たねばなりません。
だが、釣堀家は、欠釣児童の如く釣りに飢えておりました。先行者の帰りを待ってはおられません。
釣堀家は、血気に逸りながら、9ft3inのロッドに#1のラインを通して、ニンフを結ぶのでした。

釣堀家が結んだニンフは、このようなフライです。
川は深そうだし、思うよりも水量がありそうなので、4ミリのタングステンビーズヘッドを装着したフライを選びました。
沈める釣りなので、ティペットは、ドライフライよりも太く、6Xです。
さて、第一投。どりゃぁぁぁー。重たいフライは、ドボンと下品な音を立てて、水面に突き刺さりました。

見にくいですけれど、フライラインを写しました。
釣堀家は、基本的にラインは水に着けません。インジケーターを兼ねた、ファールドリーダーだけを水面に置いております。ラインが#1で軽いので、そのような真似が簡単にできます。ちなみにロッドは、#3~4です。
重たいフライは、アイの部分をベント側に曲げてあります。完全にキールの姿勢なので、根掛かりは少のうございます。
ポイントを移動しながら、魚のいそうな場所を探します。いかにもいそうな岩の周りをニンフが掠めますが、アタリはありません。
しかし、釣堀家が釣っている箇所は、キャッチアンドリリース区間です。春に放流した魚は残っているはずです。
と、いました、アタリです。
そりゃぁぁぁー。釣堀家は、即座に竿を立てました。しかし、ラインの先は、水中に突き刺さったまま動きません。
「ん? 根掛かりか」
釣堀家は、根掛かりを外そうと、ロッドを煽りました。すると、重たい動きで、ラインが左右に振れます。
「魚だ。しかもでかい」
しかし、ラインの先に付いているだろう魚は、ヤマメの動きではありません。しかも、ヤマメの比ではない重さを感じます。
「何だろう?」
不審を感じた釣堀家は、竿を起こしました。すると魚は嫌々をするように、頭を振りました。ごんごんと頭を振りながら、上流との段差を越えて、さらに上に走ります。その際、魚体が垣間見えました。
魚の色は赤茶色です。体高だけで軽く尺を越えていそうです。全長は、80センチはあるかもしれません。
「鯉だ。しかも、馬鹿みたいに、でっけえ」
まさか、鯉がいたとは思わぬ釣堀家。魚をとる気をなくしました。鯉は、釣堀家の戦意喪失を読んだせいか、一気に上流へ遁走しました。勿論、抗すべき術はございません。初恋の相手のように、そのまま鯉は、彼方へ逃げ去りました。

その後、アタリはありません。
下のプールを眺めれば、フライフィッシャーが粘っております。粘っている状況は、おそらく、ライズがあるのでしょう。
隣に入れてくれてとお願いすれば、場所を空けてくれるかもしれません。しかし、越後のもんは、シャイであります。見ず知らずのフィッシャーマンに、お声がけするような図々しい真似はできません。
とはいえ、魚のいないところで釣りをしても、空虚なばかりです。いや、キャッチアンドリリース区間です。魚が全くいないとは考えにくい。
キャッチアンドリリース区間の魚を舐めてはなりません。やつらは、アタリもなくフライを吐き出す名人です。
もしかすると、これまでも、釣堀家のフライを銜えていたのかもしれません。

釣堀家は、魚が長い時間銜えてくれるであろう、小さめの、ノーウエイトのフライに結び替えました。だが、このままだと沈まぬし、アンカーの効果もありません。ですので、ティペットにガン玉を付けました。ついでにティペットも、7Xまで細くします。
仕掛けを替えた堀家は、これまで釣っていた瀬を釣り上がりました。
しかし釣れません。虚しく時間が過ぎます。もう少しで、瀬を釣り終えそうです。やはり、下流のプールに移動しようかと迷っていると、ラインに微妙な違和感を覚えました。
釣堀家は、無意識にロッドを立てました。すると、魚の反応がありました。それほど大きくはありませんけれど、生意気に魚は下流へ遁走します。
魚を追って、釣堀家も走らねばなりませんが、街中の本流です。石にはヌルがついて、川底はツルツルであります。
川を走れぬので、釣堀家は、ラインが岩に擦れないようにロッドを高くしました。魚は、ラインを引き出しつつも、いくらも下らぬうちに止まりました。
今だ。釣堀家は、出されたラインを回収しました。魚までロッド2本分まで巻いたところで、魚は、上流へ反転します。
フライが小さいので、無理をすると口切れをします。適当に魚を遊ばせて、とれた魚がこれです。



この後、下手くそには、アタリすらありませんでした。