この秋は、週末になると天候が悪うございます。

この週末は3連休です。弱小の釣り堀ごときも、少しは売り上げがあるかと期待すれば、なんと、台風でございます。それも、今シーズン最強なのだとか……。

なめとんのかー!!

と、怒ったところで、台風の進路が逸れるわけではありません。場末の釣堀家は、布団を被って、台風の過ぎゆく時を待つのみであります。

放流? 

台風の接近が確実視されおりますぜ、旦那。弱小の釣り堀ごときが、こんげな塩梅の悪い週末に、放流を頼むとお思いか。

先週までは、放流するつもりでしたけれど、台風のため、今週も放流はありません。

 

話は変わります。

この週末に接近が予想されている台風で、日本対スコットランド戦の中止が検討されておるラグビーワールドカップ日本開催です。

釣堀家は、日本戦ではありませんが、見てきましたぞ。見ました試合は、東京スタジアムで行われた、ニュージーランドとナミビアの試合です。

ところで、オメー。いつから、ラグビーファンになったのだ?

世間様と同じく、いわゆる、にわか、ラグビーファンであります。

なぜ、釣堀家がラグビーワールドカップを観戦しようと決意したのか。それは、二度と見る機会がないだろうと思ったからです。

この度のワールドカップのキャッチフレーズに、4年に一度ではない、一生に一度だとありました。

4年ごとに開催されるラグビーワールドカップです。しかし、日本で開催されることは、釣堀家の生きている間には、二度とないと思われます。

チケットは高い。しかし、人は死んで、あの世に持ってゆけるものは想い出だけです。棺桶に片足を入れようとしている釣堀家にとって、幾ばくかの金よりも、ラグビーワールドカップを観戦したという、冥土の土産のほうが優先されます。

で、かあちゃんと二人で、ラグビーワールドカップを見に行った次第であります。

 

 

 

東京スタジアムは、調布にあります。新宿から京王線で約30分です。最寄りの駅は、飛田給です。

駅の改札は、行列になってました。改札を抜けても、スタジアムまで人の列です。人の列の後を、のろのろと、スタジアムに向けて歩きます。

スタジアムまでの道中には、なん箇所か、ビールを売る露天ができておりました。露天には、背の高い、胸の厚い外人さんが、ビールを片手に集っておりました。

田舎に住むと、外人さん、それも、毛唐を見る機会は少のうございます。ちなみにこの頃は、チャンコロは田舎にもおります。

との余談は止めにして、とにかく、日本ではないかのごとく、毛唐がゴロゴロとおります。この光景は、いかにも、ワールドカップであります。

 

ワールドカップの雰囲気に浸りつつ、釣堀家夫妻が、スタジアムに着いた時間は、試合の始まる1時間ほど前でした。入口で持ち物チェックを受けて、ようやく取れた、最上階の席へ座りました。

キョロキョロと周囲を見渡せば、開始1時間前にも拘わらず、席はほぼ埋まっております。

余談ですけれど、チケットの予約は手間でした。待っても待っても取れず、諦め掛けたところ、端っこの二枚が、ぽこりと提示されたのであります。

今日の東京スタジアムの混雑振りを眺めれば、端っこでも、ワールドカップのチケットが取れた事実は、誠にラッキーだったと、感謝する次第です。

 

 

 

満席のスタジアムで、ニュージーランド、ナミビアの国歌が吹奏されました。

驚くべき光景に、両国の国家の歌詞が書かれている小冊子を手に、国家吹奏に合わせて声を出して歌っている日本人が、少なからずおりました。散見される国家を歌う日本人を、驚いたように、外人さんが指差しておられます。

そこまで歓迎せずともよいだろうと、釣堀家は呆れぬでもないのですけれど、まあ、嫌な光景ではありません。

そうこうするうち、国家が終わり、釣堀家の見たかった、ニュージーランドのハカです。

 

 

 

ハカは、まさに戦いの踊りです。勇壮でした。広いスタジアムの端っこに釣堀家はおりましたけれど、その釣堀家にも、ハカの声は届きます。

 

 

 

開始された試合は、ニュージーランドの一方的な戦いでした。

ナミビアの選手も頑張りましたけれど、トライまであと5メートルという近距離まで突進できても、その先の距離を詰めることができません。ことごとく、ニュージーランドの、でかい選手に潰されるのであります。

ラグビーは、番狂わせが出にくいスポーツとされております。格上の相手は、パワーが違います。なので、格上の選手をかいくぐって、トライするなど、五体満足のままでは、到底、無理な注文です。

定説通り、ナミビアは、トライするに至りませんでした。

 

翻って我が国です。

我が国は、先回のワールドカップでは、格上の南アフリカを撃破しました。今大会では、ヨーロッパチャンピオンのアイルランドを破りました。

馬鹿でっけえ毛唐が、突進してくるのですぜ。そんげな毛唐を、体当たりで止めねばならんのです。下手すりゃ、片端になりますわ。(差別用語連発です)

という状況の、番狂わせです。戦いを終えた日本選手は、「信じていた」を連発しておりました。

勝利を信じられたから、身の危険を顧みずに、でっけえ毛唐に渾身のタックルができた。と、釣堀家は、選手の口から出た言葉以外の部分を、付け足してみました。

 

この度、試合を目前で見るに、ラグビーは、まさに、ぶつかり合いの戦いです。言い換えれば、15人で相撲を取っているようなものです。

かように激しいスポーツなので、勇気が必要です。気後れすれば、戦う前から敗れます。怪我を覚悟のタックルでなければ、強豪国に勝つなどは望めません。

我が国の選手は、怪我は当たり前、死ななきゃそれでよいと覚悟を腹に納めて、アイルランドに立ち向かったのかもしれません。

我が国の勝利は、覚悟の上の勝利でした。まことに、見事であります。

 

我が国は、あと一つ、スコットランド戦で勝ち点1以上を上げれば、ベスト8進出です。ところが、台風によって、試合の中止が取り沙汰されております。

もし、隣国が我が国の立場なら、これ幸いと試合を中止して、ベスト8進出を受け入れるでしょう。

ルール上、問題はないけれど、我が国のするべき姿勢ではありませんし、第一、命懸けの選手に失礼です。

望むべきは、スコットランド戦が中止にならずに行われ、正々堂々と戦った結果、ベスト8に進んで欲しいものです。

万一、敗れても、釣堀家は、拍手を惜しみません。