彼岸を過ぎまして、季節はよくなっております。
場末の釣り堀も、2メーターを超えた積雪が、半分以下に減っております。とはいえ、まだまだ、雪はあります。
この残雪を見まするに、さらに雪深いだろうと予測される魚沼地方へ、渓流釣りに行こうなどとは思えません。
雪漕ぎは、冬の除雪だけで懲り懲りです。と、お思いのおとーさんは、釣堀家だけではないはずです。
場末の釣り堀は、残雪は多くありますけれど、釣堀家が除雪しておりますので、釣り場には雪がありません。
雪漕ぎに懲り懲りのおとーさん、いらして下さい。今週は土曜日に放流いたします。

雪漕ぎには懲り懲りの釣堀家であります。しかし、渓流が解禁したので、釣りには行きたいのであります。
とはいえ、県内には雪漕ぎをせずに入れる川などありません。てゆうか、そんげな川を探す行為が面倒くさい。

じゃあ、どうするんだよ。

県外です。表日本なら雪はないはずです。しかし、東京都などには非常事態が宣言されております。
遠征は、非常事態の宣言外の地域へするにしても、もし、県外へ遠征して、万一、武漢熱に罹患したら、本業の会社に迷惑を掛ける結果になります。
てなわけで、釣堀家は、本業を退職する3月15日まで我慢したのであります。
退職後、早速、逝った川が、フライフィッシングの聖地である、桂川の忍野地区であります。忍野へ逝ったついでに、返す刀で芦ノ湖でも釣りと思ったのですが、芦ノ湖は神奈川県です。神奈川は、非常事態宣言がされている地域です。自営業となったとはいえ、そんな地域へ遠征する姿勢は、ちいとばかり憚られます。
ですので、今回は、忍野地区だけを釣ってまいりました。

忍野村は、山梨県の南東にあります。富士山の裾野にある村です。有名な忍野八海があり、釣りをする場所は、富士の伏流水が湧出する忍野八海の下流となります。
桂川の忍野地区は、富士の伏流水が流れる川なので、一年中水温が安定しています。ですから、他の地域が寒くて、ライズの見られない季節でも、ライズが期待できる川として有名なのであります。


忍野地区、日本のスプリングクリーク。

忍野地区の、釣り場と言える範囲は、自衛隊の駐屯地から真っ直ぐ川へ進んだ橋、通称、自衛隊橋の上下流となります。
釣り場としての距離は、そうですね、1キロはないかな。
釣堀家が知っている釣り場の範囲としては、自衛隊橋の上流で300メートル、下流で、500メートルくらいです。

自衛隊橋の近くに、さかな公園という施設があります。さかな公園の駐車場の一部が、釣り人に開放されております。
釣堀家は、釣り堀おばさんと同伴しております。ですから、駐車場の心配はありません。ちなみに、釣堀家は忍野地区で釣り、おばさんは、周辺の観光へと、行動を別にします。


河口湖から見た富士山

さて、釣りです。
釣堀家が赴きました日は、3月19日で、平日の金曜日であります。
朝、川へ逝って驚きました。数えやしませんでしたけれど、弱小の釣り堀の土日よりも多い釣り人がおります。それも、絶滅危惧種のフライフィッシャーだらけです。
恐らく、自衛隊橋の前後で放流されているのでしょう。自衛隊橋の上流下流では、場末の釣り堀よりも狭い間隔で、フライフィッシャーが並んでおります。
これだけ人が並べば、ライズどころの騒ぎではありません。川面は、全く静かであります。ライズがありませんから、フライフィッシャーのほとんどは、インジケーターと称する、浮きをつけて、フライを沈めております。
水中を観察すれば、そこかしこに魚が見えます。魚の横頬に赤い模様が観察できますので、ニジマスだろうと思われます。
その魚のことごとくが、すれっからしです。並ぶフライフィッシャーのフライを、総じて無視しておりました。

こりゃあ難しそうだ。
ていうか、忍野で釣るのなら、ドライでしょうと思い、大小いろいろなサイズでフライを用意したのに、この有様では、忍野の魅力が半減します。
釣堀家は、魚の濃さよりも人の薄さを探して、自衛隊橋の下流を探しました。
下流に下ると、川の両岸にバックスペースがなくなります。バックスペースに半比例して、釣り人も少なくなります。
とはいえ、まったく人気のない場所はありません。釣堀家は、なるべく人気の少ないところを探して、川岸へ立ちました。

人気のない場所は、すなわち、魚もおりません。釣堀家は、水中を丹念に探りました。流れが速いせいか、魚らしき姿は見えません。それでも、しばらく観察すると、対岸に近い石の後ろで、なにかが動く気配があります。
釣堀家は、早速、ロッドにラインを通しました。手にしたロッドは、3番の8.5ftです。
このロッドは、途中にエキステンションパートを2本足すことによって、10ftのニンフロッドに変更できます。釣堀家は、エキステンションパートを1本足して、9ft3inにしました。
ポイントは川の対岸になります。しかも、バックスペースはありません。ですから、10メートルほどロールキャストしなければなりません。なので、ラインは、いつものゼロ番ではなく、3番を通しました。
ライズするような雰囲気ではありませんから、選んだフライは、3㎜のタングステンビーズをつけたジグニンフです。
フライよりも30センチ離して、白いコーキング用の粘土を、細く縒りつけます。この粘土は、水中でのフライの位置を知る目印になります。

さて、第一投です。どりゃぁぁ。目星を付けていた辺りの数メートル上流に、フライがポチャリと波紋を立てて落ちました。
澄んだ湧水の流れには、白い目印がよく見えます。その目印が、ポイントの石を通り過ぎました。周囲にはなんら変化はありません。
数度通すも、変化はありません。フライのカラーを変えたり、パターンを変えたりしても同じでした。
釣堀家は、1.5㎜のタングステンビーズをつけた、メイフライのニンフに替えました。フライの直上3センチに、3号のガン玉も付けます。
フライの直上にガン玉をつけるわけは、ガン玉をフライよりも離しますと、キャストのとき、フライとガン玉が絡むケースが多くなるからです。
このニンフが当たりました。
白い目印がポイントに近寄りますと、目印の周辺で、ふわりと魚が動きました。すかさず、ロッド立てます。ロッドの先には、場末の釣り堀で釣る、レギュラーサイズのマスがついておりました。

 

その後、数投に一回、アタリがあります。アタリとはいえ、ラインを引き込むような明確なアタリはありません。
水中の目印の周囲で、魚が見える。若しくは、目印の動きが不自然という程度です。
釣った魚はこの通りです。

 


元々、ドライフライで勝負をするつもりだったので、ニンフの手持ちは少のうございます。加えて、川底には、倒木などの根掛かりしやすい物体が多く沈んでおります。
瞬く間に手持ちのニンフをなくした釣堀家は、後ろ髪を引かれる思いで、忍野地区を後にしました。