真夏のような暑さかと思いきや、昨晩は、秋の気温に急落です。お陰で、毛布を引っ張り出したり引っ込めたりと、眠れぬ夜を過ごした釣堀家でございます。
寝不足で不機嫌なんです。おまけにアルビレックス新潟は、降格争い真っ只中の、ヨワイネッカ金沢に負けやがるし、これでJ1昇格は、本当に難しくなりました。
しかし、奇跡って言葉があります。もしかすると、首位と2位が負けを重ねるかもしれません。釣堀家は諦めませんぞ。
人を呪えば穴二つと申します。できれば他チームの連敗を祈りたくはありませんが、やむを得ません。
これから朝晩、モモンガとヨワッタの連敗を願うことにします。
釣堀家の祈りが通じた、すなわち今期、アルビレックス新潟がJ1昇格した暁には、特別放流&ウイスキー樽熟成の緑川、Cask Collectionを、5本しかありませんがプレゼントします。(大物大会にするかアルビノ大会にするかは検討中です)ちなみにJ1昇格なかった場合は、中止です。
今週は、アルビレックス新潟が負けて口惜しいですけれど放流します。放流は、日曜日に行います。

さて、いよいよ渓流釣りが禁漁となりました。
今期の最後を飾るべく、釣堀家は今期最終日に逝ってまいりました。一人ではありません。先週、とあるダムの最上流で頭を丸めたお客様と、今週も同伴した次第であります。

 

向かった先は、先週と同じ地域です。詳しい場所は、資源管理の都合上、伏せさせていただきます。
水量は、登川と同じくらい。新潟県の最深部を流れる川ですけれど、電源開発のための林道が川沿いに切られております。なので、万一の雨でも安心な川であります。

 

さて釣りです。お客様はルアー、釣堀家はフライです。
ここでトラブル発生です。フライフィッシャーの釣堀家は先週の釣行の際、ドライフライのボックスを落とすという大失態を犯しておりました。
フライボックスを落とした事実に気がついた時は、今朝であります。今更、新しいフライを揃え直すなどできません。
とはいえ、幸い、ニンフ(川虫フライ)のボックスは無事でした。フライフィッシャーとはいえ、釣堀家は変わり者なので、普段からドライフライはほとんど使いません。
なぜって、フロータントつけたり、細いハリスを結ばねばなりませんし、なんちゃってユーロスタイルのニンフよりも、なにかと面倒くさいからです。
でありますので、今日はドライフライを使わずに、ニンフだけで釣りをします。

失業中の釣堀家は、国税を払っておりません。ちなみに痴呆税は、昨年の収入分を翌年払わねばならぬので、少なからぬ額の金を払っておりますけど……。
おっと、余談はなしにして、税金を払わぬ釣堀家は下級市民であります。対して同伴のお客様は、団体職員として、多額の納税をしておる上級市民であります。
下級市民は、3歩下がって上級市民の陰を踏まずです。釣堀家はガイドとして、上級市民様の釣りのサポートです。

山奥の川とは申しましても、それなりに人は入っております。河原には、角の立った足跡がそこかしこに見られます。
今日は木曜日です。先週末には、多くの人が今季最後の釣りに入ったのだろうと予測できます。
人が入っているようだとはいえ、山奥です。雪深いこの辺りが釣りになる時期は、梅雨明けからの2ヶ月しかありません。
ですから、魚はそれなりに残っています。現に、よいプールでは、お客様のルアーを追う魚が数尾見られました。
とはいえ、魚が小さい。チェイスはあるのですが、フッキングには至りません。少し苦戦して、何尾かの岩魚を釣っておりました。
上級市民様、さすがでございます。

 

少し遡りますと、小滝がありました。時刻は昼前です。帰る時刻までは、3時間ほど残しておりました。
釣堀家単独なら、引き返すところですけれど、本日は、お客様同伴です。ですから、小滝を高巻いて、さらに上流へ向かいます。
小滝の上流は、様相が一変しました。週末の釣り客は、小滝で引き返したのでしょう。釣り人らしき足跡は見られなくなりました。つれて、魚のサイズも上がります。





25センチ強の岩魚が揃います。上級市民様の後を歩く下級市民の釣堀家にも、それなりの岩魚が数尾釣れました。





気がつけば、かなり遡っております。この後、いくらも行かぬうちに、取水堰堤になります。
目前の落ち込みのプールに、釣堀家は、怪しい雰囲気を感じました。
釣堀家は上級市民様に、ここだけ先にやらせてくれとお願いしました。上級市民様の快諾を得て、本日の武士の魂、10ft6in、#1のロッドを手にして、プールに近寄ります。
結ぶフライは、10番のフックの軸を曲げて作った、UVを反射するジグニンフです。
紫色に反射するこのニンフを、拒める魚はいない。
なーんてね。

ポイントまでは10m。膝くらいの深さの流れ出しは、あちこちから流れがぶつかって、怪しくざわめいております。
とりゃぁぁ。
投げたフライは、流れ出しの怪しげな流れに投入されました。
底には頭くらいの石がゴロゴロあります。そのままナチュラルに流すと根掛かりしますので、ほんの少しだけ手前に引きます。
ふっと、バイカラーのファールドリーダーにアタリがありました。
すりゃぁぁ。
立てたロッドには、普通サイズの岩魚の感触。ここには尺を超える岩魚がいるはずだと予測していた釣堀家は、首を捻ります。
普通サイズの岩魚をリリースして、もう一度、同じ流れにフライを入れました。さっきよりも沈めようと、ラインを緩めます。すると案の定、根掛かりです。
一人なら、根掛かりをしたフライを切って結びなおすポイントです。しかし、今日は上級市民様のガイドであります。
根掛かりをそのままにして、上級市民様にポイントを譲りました。

釣堀家にポイントを譲られた上級市民様は、釣堀家がフライを流した流れよりも上流、流れ込みまでルアーをキャストします。
トゥイッチしたルアーが流れ出しに差し掛かったところで、魚がチェイスしました。一瞬だけロッドが大きくしなります。魚は、ギラリと体を捻ると、それまでにいただろう流れ込みの方向へ戻りました。
釣堀家は、お客様と顔を合わせました。
「大きかった」
逃した魚は大きいと申しますが、本当に大きかったです。
尺物を逃がしたとはいえ、よい釣りができたと自負できました。お客様も満足された様子です。
よい最終日でした。