台風11号は、秋風を引きずり下ろしたようです。
お陰で水曜日からは、急激に涼しくなりました。場末の釣り堀は、夕方時分には半袖では肌寒いくらいの気温まで下がりました。
やっと気温が落ちてくれたので、この週末は放流します。アルビレックス新潟が、負けたにも拘わらずにです。
放流は、土曜日の昼頃になります。
このたび放流する土曜の夜、アルビレックス新潟は、ホームで琉球と戦います。
アルビレックス新潟は、前節負けました。3位のキビダンゴが勝ちましたので、勝ち点差は5まで迫られております。
今節、琉球に負けても順位は落ちませんが、負けると、ズルズルと落ちちゃいそうな気もします。
前節、負けた大痛との戦いは、前半、大痛のハイプレスとフィジカルにやられた感じでした。右からのクロスがよいところに上がって、ストンと一点を取られました。
後半、飛ばしすぎた大痛の足が止まり、アルビレックス新潟にもチャンスの機会が増えました。
しかし、失敗をおそれるあまりか、大痛のゴール前で消極的なプレーが散見され、結果、点をもぎ取ることはできませんでした。
この試合、どちらに転んでも不思議ではない試合でした。負けた姿は、運が足りなかったと言えるのかもしれません。
とはいえ、運は、気持ちで引っ張れる場合もあります。絶対に勝ちたい気持ちが強ければ、自ずとボールはゴールに向かって飛ぶものです。
相手のゴール前で消極的なプレーをする姿を見るに、勝ちたい信念が相手に劣った試合だったのかもしれません。
サッカーは、技術が重要な有様は、釣堀家ごときが申すまでもありません。しかし、運の要素も、2割くらいはあると思われます。
運は、気持ちが呼び寄せます。サッカーよりも運の要素の強い釣りとなれば、さらに気持ちが重要になります。
この度、非課税世帯で下級市民の釣堀家は、団体職員さんと、一流企業社員さんの上級市民様をガイドして、とある釣り場へ逝きました。
細い山道をズンズン進み、とある堤ををウネウネと降りたところに、とある釣り場はあります。
とある釣り場は、事情がありまして、絶対に明かせません。ですから、とある釣り場を特定できる写真も載せられません。
山上にある、とある釣り場の水は、通常ならばクリアであります。しかし、当日は違いました。
クリアなはずの水色は、コーヒー牛乳のように濁っておりました。
膝まで立ち込んで、靴が判別できるかどうかの濁りです。魚野川なら絶対に、釣りを諦める水色でありました。
魚野川なら仕方ないかと諦めるところです。しかし、易々と訪れることの叶わぬ、とある釣り場では、諦めるわけにはゆきません。
幸い、同行の上級市民様は、ルアーでの釣りです。ルアーなら、この水色でも魚は見つけられる、否、むしろ警戒心を解いて食ってくるかもしれません。
非課税世帯の下級市民が、上級市民様の釣りをお手伝いできる。それだけで幸せなことです。
フライでは難しい状況とはいえ、折角訪れた釣り場です。一応は釣りをしなくては帰れません。
釣堀家が持参したフライは、クリアウオーターのスレたマス用です。この濁った水で、魚が釣堀家のフライを見つけられるとは思えませんでした。
唯一、釣れる可能性があるとしたら、沈むラインを使い、持参したフライの中でも、目立つフライを引っ張る釣りだろう。
予測した釣堀家は、ロッドに#3のシンキングラインを通しました。
さて第一投です。ドリャァァ。バックがありませんので、スカジットキャストです。
ラインはゆっくり沈むラインです。その先端に、自作の早く沈むラインを3ft接続しております。
少しカウントダウンしてリトリーブ。「うわっ」一投目から根掛かりです。濁っているせいで、水深を見誤ったようです。
ガッチリ掛かってました。グイと引っ張ると、なんと、シンキングラインとシューティングラインの接続で切れたのであります。釣堀家の結びが適当だったからであります。
そうこうするうちに、同行のS様が、イワナを釣りました。40センチは超えております。
「釣れるんだ、ルアーなら」
釣堀家は信じられぬ気持ちで、釣れたイワナを拝見しました。
ラインをなくした釣堀家は、戦意喪失です。全くやる気なく、フライを投げました。
S様が最初の魚を釣られて数刻後、釣堀家のラインにも当たりが出ました。当たらぬと思っていた釣堀家は、愕然とした感で合わせました。
魚は掛かりました。数回、頭をグングンと振って、プイと、ラインの先からいなくなったのであります。
逃げた魚は、大きかったと思います。再度、茫然自失です。
釣堀家が肩を落としておりますと、S様がさらに大きなイワナを釣られました。体高のある55センチの魚です。
この釣り場が初めてのS様は、釣堀家が抱いた諦観は皆無だったのでしょう。端っから釣れるだろうと、確信していたのだと思います。
その内、もう一人の上級市民様のW様も、40センチを超える太ったサクラマスを釣られました。
直後、釣堀家にも当たりがあり、魚が掛かりました。釣堀家のロッドも、大きく曲がります。いつもならバレぬ掛かり具合であります。
ところがこの日は憑いておりません。足下であっさりと逃げられました。濁っていたので魚種は分かりませんけれど、恐らく、40センチは超えたイワナだったと思います。
その後、W様も、尺イワナを追加されました。
この日ボーズだった者は、下級市民の非課税世帯ガイドの釣堀家だけです。
釣堀家のように釣り場で諦観を抱くと、釣れぬばかりか、いらぬ不運まで呼び込みます。アルビレックス新潟が、前節、大痛に負けた試合のように……。
運を呼びたければ、どのような状況でも、諦めてはいけません。
絶対どうにかなると、強い気持ちを持たねばならぬのです。