このところ、天気のよい日に閑散とする場末の釣り堀でございます。
なぜだろうと考えまするに、海釣りが好調なせいかなぁ? 穏やかな晴天の日は、おらちのお客様は、好調の海に行くんだと、弱小の釣堀家は考察をするのであります。
いいや、釣れないからだろう。
確かに放流はしておりません。だって、アルビレックス新潟は、公式戦3連敗中ですから……。
アルビの話が出ましたので、脱線します。
アルビレックス新潟は、次節も負けたら、絶賛、降格争いに参入となります。
前節も今節のガンモドキ戦も、負ける戦いではありませんでした。
なんだろうか、ふと、気を抜く瞬間があって、簡単に点を献上するのであります。しかも、こっちのシュートは、打てども打てども、ゴールネットを揺らしません。折角チャンスは作れているのだから、冷静に狙えと釣堀家は憤るのであります。
プロなのだから、舞い上がらずに、決めるときには決めて欲しい。弱小のアルビファンの悲痛な叫びです。
話を戻します。
アルビが負けましたから、今週も放流はありません。
放流しなくても今の客数なら、それなりに釣れております。海で釣れなかったおとーさん。場末まで足をお運び下さい。
せめてもの慰みになるかもしれません。

今年の海は、ベイトがわんさかといて、好調の様子です。
その好調さに誘われて、場末の釣堀家ごときも海に出ました。
海釣りは久しぶりです。なので、知り合いに案内を頼みました。この方、悪徳ガイドの釣堀家とは違い、どうにかでも、魚を釣らせてくれます。

出た海域は、柏崎の検潮所沖、マリーナの隣になります。
海は凪いでおりましたが、前日荒れておりましたので、大きなうねりがあります。



狙う魚はマダイであります。
釣堀家は、場末の釣り堀を経営する前に、一時、海釣りに狂った時期がありました。その時期には、フライでイナダやスズキ、まぐれでメジマグロを釣った覚えがあります。
マダイをフライで真剣に狙った記憶はありませんが、フライで20mの底を狙った過去はあります。その時は、アタリはあれども魚は掛からずで、口惜しい思いだけをしたと記憶しております。
案内人さんは、今はやりのタイラバではなく、普通のジグでマダイをコンスタントに釣っていると聞きました。
普通のジグで釣れるほど高活性なら、フライでもマダイが狙えるかもしれない。釣堀家は、20年前のリベンジを果たすべく海へ出ました。

今回用意しましたロッドは、9ft2inのシングルハンドロッドです。
指定ラインは、8~9番。リールに巻いたラインは、フライラインの中でも、最も比重の重いラインです。
フライは、白と赤、ピンク、オレンジのゾンカーテープで、2#のサーモンフックを挟むように巻いた簡単なフライです。

 

船は、出しの風を受けて、緩く歩くような速度で沖へ流されております。
案内人さんが教えてくれるには、魚探に写る魚の深さは、20mの底か6mくらいの中層だそうです。
この船が流される速度では、比重の重たい今のフライラインでも、精々、3メートル沈められればよいくらいです。
青物を釣るつもりなら、このラインだけで十分です。しかし釣堀家の狙いは、赤い魚です。
一旦は、20mの底まで沈めないと、恐らく釣れません。
で、釣堀家は、ブラスのシンカーをラインの先に装着しました。重さは、一個、30gです。一個では底が取れませんでしたら、2個つけます。
投げられるか?
投げられますよ、10mくらいまでなら。船からの釣りなので、それ以上の飛距離はいりません。てか、投げなくても釣りになります。
これをフライフィッシングと言うのか。
本流などではガン玉を3個も装着して釣りをします。釣堀家は、渓流でもガン玉を装着します。
そのガン玉が、さらに重たくなっただけとするのなら、この釣りも、立派なフライフィッシングであります。

余談はこの辺で止めて、重たいシンカーを装着したフライをドボンと投げます。フライは、若干流されながらも、海底まで沈みます。
釣堀家は、リトリーブを止めないよう、両手でリトリーブをしました。
何度も沈めても、アタリはありません。その内、案内人さんがマダイを釣りました。ルアーは、普通のジグです。

 

マダイはいる。しかもルアーでは釣れる。
釣堀家は、期待を込めてリトリーブします。魚探にはマダイの反応はあるのに、釣堀家のフライは無視されます。
何度も何度も、無視をされ続けます。隣で釣りをする案内人さんも、一尾を釣った後は続きません。
魚影の割には釣れないので、釣れる魚を求めて船を深場に移動しました。
水深40mの根回りです。
フライを落とす途中で、奇妙な違和感を覚えました。魚探には、10mくらいに魚影があるそうだから、もしかしたら、沈める途中で魚がフライを食った可能性はあります。
しかし、シンカーが付いております。シンカーとフライは、レの字になっているはずです。従って、沈める途中のアタリを感じても、合わせるほどフライを動かすには、かなりの長さを引かねばなりません。
実際は、不可能であります。

根回りで釣りをしていると、やっとアタリました。釣れた魚は、小さなカサゴです。
マダイではありませんが、どうにか、頭を丸めずに済みます。
同じ場所で何度かフライを沈めました。と、大きなアタリ。
両手で数度たぐり、ドリャァァとロッドを立てます。ロッドは大きく曲がりました。魚は底へ突っ込むように逃げます。
マダイであってくれ。
祈るような気持ちでラインを手繰りました。ラインの先にはなにやら赤い魚。しかし、平らではなく丸い形です。
釣れた魚はこいつです。

 

よい形のキジハタであります。関西では高級魚としてマダイよりも好まれている魚です。
他に、もう一匹カサゴ、それと、ホウボウも釣れました。

 

本命のマダイは釣れませんでしたが、課題は分かりました。次は恐らく釣れるだろうと自負できます。
とはいえ、これからマダイは深場へ落ちるそうです。水深60mを釣らなければならなくなるそうだから、フライでは大仰な釣りになります。
なにせ、60mのラインを処理しなければなりませんから……。

とにかく、楽しい釣りでした。夏はスズキのランガンをやるそうなので、夏もお願いしようかと思う釣堀家であります。