8月も来週で終わります。しかし……。
この期に及んでも、連日の猛暑日です。猛暑日だけならまだしも、全国で新潟県がもっとも、アッチェんだと。エェェー。
放流したい気持ちは大いにあります。ですが、水温が下がらぬので今週末も、できない様子です。
水温さえ下がれば、ゲリラ放流もありです。とはいえ来週も、30℃から下がらぬ予報になっております。
てことは……。
今週も、やらずぼったくりで儲けさせて頂きますぅ。グフフー。

と、新潟県は猛暑日が続いております。
お陰で場末の釣り堀の魚は、息も絶え絶えであろうかと見れば、さにあらず。おらちのマスはスレてはおりますが元気です。餌の食いも、欠食児童かといわぬばかりに盛んでございます。
場末の釣り堀で元気がない者は、釣堀家だけであります。

ともあれこの猛暑、とんでもねえ代物です。
おらちのお客様から聞いたところ、海水温は沖合でも30℃なのだとか。沖合で30℃なら、沿岸では温泉ですわ。
おらあ、還暦を過ぎて生きてますけど、これまでの人生でこんな暑さ、聞いた覚えがねえ。海がそんな有様なら、里の渓流など、魚が口を使う環境ではありません。
との猛暑でも、場末の釣り堀の魚は頑張っております。それもこれも、釣堀家の愛情の賜でんがな。急に大阪弁。
てな無駄話は休題。
本題は、この暑さの続く中、悪徳ガイドの釣堀家は、お客様を案内する約束したというお話でございます。

ともあれ、この度ガイドを依頼されたお客様は、高級地方公務員様であります。ですから、頭を丸めて帰すという、いつもの悪徳ぶりを発揮するわけにはまいりません。
しかし、この暑さ、はて、どこへ行こう?
この暑さでも釣りになるところと言えば、近場では奥只見に上がるほか、心当たりがございません。少し足を伸ばして、中津川上流の志賀高原か……。
高級官僚様にお伺いを立てたところ、亡き作家であります開高健氏の本がお好きなのだとか。
開高氏がお好きなのなら、氏が本県で釣りを楽しまれた聖地、奥只見へ赴く他にありません。
しかし、世はお盆休みの最中です。
お盆休み中の奥只見は、他県ナンバーの車で一杯です。恐らく見渡す限り、釣り人が列を作っているだろうと覚悟しておりました。

赴きました川は、奥只見の北ノ岐川です。

 

下界は猛暑で、くっそ暑いですが、川の温度は体感で15度くらいか? 水は澄んでおります。
雨が降っていないためか、かなり減水しているように見えます。
覚悟していた先行者は、奇跡か、おらぬようです。尤も、17日でしたから、普通のおとーさんは、お仕事なのかもしれません。
とはいえ、河原にはかなりの足跡がつけられています。お盆休暇の間は、連日釣り人が、糸を垂らしていたであろうと予測できます。

さて、釣りであります。
お客様はルアーです。釣堀家がお話を伺ったところ、渓流で実際に釣りをする経験は、今回が初めてなのだそうです。
タックルを見たところ、ベイトタックルを手にしております。
軽いルアーを主として使う渓流では、ベイトタックルはトラブルの元になるだろうと、普通なら懸念します。ましてや、初めてだと仰る。
しかし、タックルは準備されて、すぐにでも釣りができる支度になっておりました。お客様の釣りを見もせずに替えろとはいえませんので、とりあえず最初のポイントへ急ぎます。

最初のプールで、数投していただきました。
キャスティングのアキュラシーはイマイチとはいえ、バックラッシュなどのトラブルにはいたりません。手返しもまあまあです。
魚がいれば釣れるだろう。かように安心したのではありますが、いかんせん、河原には他の釣り師の足跡だらけでした。
案の定、普通なら絶対にいるはずの目前のプールには、魚の気配はありませんでした。

誰もが目をつけるプールには魚はおらないかもしれません。釣堀家は、人がやらぬであろうポイントを重点的に案内しました。

 

サイズは目刺しですけれど、れっきとしたヤマメであります。
人生初のヤマメだそうです。
ルアーと変わらぬ大きさのヤマメを釣る行為は、ある意味、尺ヤマメを釣るよりも難しいかもしれません。
おめでとうございます。
魚の大きさは、運であります。運さえ味方になるのなら、サイズアップも期待できます。さらに遡りましたところ、サイズアップをすることができました。

 

お持ち帰り可のサイズです。
さらにイワナも追加しました。

 

渓流でのイワナも初だそうです。
これしきのサイズの魚でも、喜んでいただけました。それにしても、お客様を喜ばせるとは、悪徳の名に恥じる行為です。
悪徳ガイドは、己ばかり魚を釣って、お客様を苛つかせねばならぬのです。それが悪徳ガイドの定義であります。
次こそはと、心に誓う悪徳ガイドでした。