先週末から、急に秋めいてまいりました。つれて場末の釣り堀の水温は、急激に冷えております。
さぞや釣れるだろうとお思いでしょう。
甘いです。
水温が上がる方向なら、代謝がよくなるので、怪しげな食い物も咥えてくれます。ところが急激に水温が下がると、怪しげな食い物には見向きもしなくなります。すなわち、おとーさんの怪しげなルアーに食いつかなくなるという始末です。
先週末、場末の釣り堀は、資金もないくせに放流しました。しかし先週末は、急激に水温が下がりましたから、見事に釣れませんでした。
前述の説が証明された放流日となったわけであります。
この週末?
もしかしたら、釣れるかもしれませんが、分かりません。魚に聞いて下さい、てなところです。

アルビレックス新潟、勝ちました。パチパチです。
前半は、守備のミスが目立ち、ハラハラとしました。先制点を三戸選手が決めていなければ、今日は負けだと諦めるところでした。
後半からは守備が安定して、安心して見られるようになりました。
3人交代してからは、攻撃の強度も上がりました。追加点の匂いがすると感じていたところ、渡辺選手の嬉しい初得点。
間を置かずに、高選手のゴラッソー!! 3-1での勝利!! よくやった、アルビレックス新潟!!
放流は、先週ではなく、今週だったと、後悔している釣堀家です。

話は本題になります。
新潟県の釣りの聖地といえば、作家の開高健さんが数ヶ月こもって執筆をした銀山湖であります。
氏は著書の中で、「湖畔の水は水の味がし、木は木であり、雨は雨であった」と銀山の地を評しております。

その湖の釣りは、湖畔にある数件の釣り宿を基地としてやる姿が常であります。その釣り宿が昨今、後継者不足によって閉業している姿が現実となっております。
事実、開高氏が定宿としていた村杉小屋は、数年前に廃業しております。小屋に飾られていたイワナの魚拓は、なんの縁か、場末の釣り堀でお預かりしております。

場末の釣堀家も、銀山湖へ40年近い年月を通わせていただいております。
場末の釣堀家が通う宿も、残念ながら、後継者がおらぬという理由で、今シーズンで営業を終えると知らせをいただいておりました。

 

釣堀家の定宿は、荒沢ヒュッテであります。
最後にご夫妻の写真を撮ろうと思っておりましたが、釣りとヒュッテの佐藤夫妻とのおしゃべりに夢中になって、見事に忘れるという為体です。
一つに引っ掛かると、大事な用事を忘れる。年寄りにはありがちな出来事です。

さて釣りです。
今回の釣りは、悪徳ガイドではなく、一人での出船です。
銀山湖は、実質、7月一杯で釣れなくなります。その後は、湖面が温くなり、魚は深場へお隠れになります。
ルアーならまだしも、フライでは探れる深さではなくなります。
それでも釣堀家は、荒沢ヒュッテで楽しんだフライフィッシングの過去を忍びながら、釣れなくてもよい釣りに出船したのであります。

 

朝靄の銀山湖。幻想的です。
秋は、岩盤沿いに魚が定位するように認識しております。
この時季の魚は、急に切れ落ちる岩盤の、深度10mよりも深いあたりで、避暑をしているはずであります。
旧日の記憶を辿って、魚の反応があった場所といえば、本流の恋ノ岐出会い両端の岩盤になります。
釣堀家は、朝一、そのポイントへ向かいました。

 

恋ノ岐の写真も忘れましたので、似たようなポイントの写真を掲載しております。

ここの水深は、30mくらいのはずです。魚探を持っておりましたが、中古の魚探はノイズだらけで水深すら分かりません。
ええい、この役立たずめ。
釣堀家は毒づき、魚探のスイッチを切りました。カチカチと鳴る魚探の探針音は、魚を警戒させると思っているからです。

数投しました。
フライを沈めるために、7グラムのショットをつけております。フライフィッシングにあるまじぎ、ドボンという着水音で、フライは湖底に沈みます。
30秒ほど待って両手で小刻みに手繰りました。コツと当たります。ん! 緊張しながらリトリーブ。
3回くらい手繰りますと、魚の重さがリトリーブの手に伝わりました。それからさらに、ズンズンとリトリーブしてロッドを立てます。
当初は、重いだけの引きでした。釣堀家の脳裏に、「ウ」の字がよぎります。
船端まで手繰り寄せ、リーダーが見えたところで、急に魚は暴れました。直線に沖へ走り、潜り、浮いてジャンプです。
大きくはないがサクラだ。
釣堀家は急に慎重になります。なにせ、7gのショットつきです。ショットが暴れれば、フックが外れる可能性が大きいです。
慎重にやったりとったり。表面の水温が高いせいか、魚はいつもより早く大人しくなりました。
釣れた魚がこれです。

 

残念ながらニジマスでした。
ニジマスは、イワナやヤマメよりも高水温に強いです。だから、フライの届く水深にいたのだと推測できます。
釣れた魚はニジマスではありましたが、荒沢ヒュッテから最後に出た日の釣りで、頭を丸めずに済んだことを、この魚に感謝する釣堀家であります。

この後、尾瀬へ向かう定期船が通りました。定期船が通りますと、船がひっくり返るほどの引き波があります。
この引き波を食らうと、なぜか釣れなくなるから不思議です。
定期船が通過してから、魚の気配はなくなりました。恋ノ岐を諦め、あちこちへ移動して探りましたが、アタリすらありませんでした。

 

目の前にそびえる山は荒沢岳です。
荒沢ヒュッテの佐藤さん。たいへん、たいへん、お世話になりました。ありがとうございます。